体感

 ある店舗販売に従事している女性と、会計が済んだ後、話をした。こんな女性と結婚した男性は、うるさいけれど楽しいだろうなと、話をしながらよく思う。個性豊かな女性で、時々同じような人はいるが、貴重な存在で世の中の石油ストーブみたいなものだ。近くにいたら気持ちが温まってくる。
 僕が日常接することが少ない分野の情報を教えてくれるので、結構耳学問になる。今日の主なるテーマは、僕が苦手とする分野の1つなのだが、買い物時のポイントサービスについてのことだった。時計と携帯電話とカードを持たない主義の僕だから、消費税の増税時にしばしば耳にしたポイントなる言葉の本質を余り理解できていない。今日教えてもらったことをここに書こうとしても、説明のための単語さえ出てこない。だけど印象には残っていて「ポイントがつくと消費者は結構飛びつく」のだそうだ。ポイント集めに懸命なのだそうだ。彼女の評価はその行動こそが、現代人の生活水準が落ちている証拠だというのだ。日々店頭に立ち消費者と対峙している立場から世の中を見ているから、その体感は信頼度が高い。昔、バブルの頃は、ポイントがついているなどと言うと面倒がられていたそうだから隔世の感がある。
 そうしてみるとポイントなどと言うものは全て断っている僕は幸せなのかなと思う。もっとも、僕は物欲がほとんどないから無駄な買い物をしない。家に物が増えるのが極端に嫌いだから、ポイントも値段も関係ない。要は必需品以外買わないのだ。安く買う努力はしない。それ以前に買わないのだから。こんな簡単な倹約方法はない。これに勝る節約はない。
 もう一つ加えるなら、庶民が1回買い物をするたびに、汚部の友達の金融業者達が売り上げの数パーセントを横取りするなんて許せない。僕は汚部や、やつらのために働きたくないからカードは使わないし、僕の薬局でもカードは使えない。金持ちがパソコンの向こうに社員を座らせておくだけで巨万の富を庶民から奪い取っていく。やつらの集金マシーンに自分の人生を捧げたくはない。