親切

 親切な若い男性店員さんだった。
 3年前に、税理士さんに言われて楽天カードを作った。年に2回そのカードを使ってある振り込みをするためだ。便利なのか不便なのか分からない。いや僕にとっては明らかに不便なのだが、相手側にとっては便利なのだろう。何故なら振り込んだお金の証明になるものも過去の蓄積も全てインターネットの中にしかなくて、僕は何ら紙媒体で証拠になるものを貰っていない。本当にお金が残っているのかどうかも確かめる術がない。ひたすら信用しているだけだ。これを10年近く続けるのだから、不安で仕方ない。僕が死ねばいったい誰がそれを相続出来るのだろう。そのありかすら気が付かないのではと思う。
 今日のテーマはそれではなく、税理士さんがポイントがかなりたまっているはずですから、使ったほうがいいですよと何度も言うので、3年目に面倒だが意を決して使ってやろうと思った。なんだかポイントが増えるどころか減っているような気もしたので。
 丁度メガネを直したので、メガネのミキにポイントを持って行って税理士さんから言われた通り「ポイントで払います」と言った。するとメガネのミキはポイント払いは出来ないそうだ。せっかく暗証番号を覚えてきたので、カードで払う練習をしてみた。財布に手を付けずに支払いが終わった。不思議な気分だった。
 「あとから追いかけてきてお金を請求するんじゃないの?それにしても、なんか儲けた気がする。大きな気分になって色々買い物したくなるなあ!」と言うと「遠近両用の予備のもどうですか?」と言うから「よそで一杯買い物をしてみる」と言って店を出た。
 そのあとホームセンターのダイキ西大寺店に行ったのだが、そこで若い男性店員さんから思いもよらぬ親切を受けた。
 僕は、正気に戻って?普段通りに買い物をし、現金で払ったのだが、財布を開いた瞬間、「カードにポイントを入れましょうか?」と彼が言った。僕の財布からのぞいていた楽天カードを見つけてくれたのだ。僕は一度もカードなるものを提示したことはないから、せっかく言ってくれたのだからポイントを入れてもらった。いい機会だと思って、「ここは、ポイントを使えないの?」と尋ねてみた。すると使えるそうで、会計をする前にポイントを使うと告げるだけでいいらしい。それと3万円くらいポイントがたまっていたらしくて、「もったいないですよ、1年で消えますよ」と教えてくれた。だんだん減っているように思えたのは、実際の話で、毎年消去されていたのだ。
 からくりや使い方を初めて理解した。今まで結構なポイントを捨てていたことになるが、何か買い物をするたびにあの低俗な三木谷に金が入ると思うと不愉快になる。
数万円のお金に目がくらんで、権力に取り入り美味しい目をする男の懐に貢献するのかここが決断のポイントだ。僕亜勿論ポイントをとる。

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