不発

 だいたいこの手のものは内に秘めておきたくないと言うか、誰彼となく話さずにはおられない。この女性もそうだったのだろう。入ってくるなりいきなり「スピード違反で捕まった」と言った。
 誰彼ともなく話すうちにやっとうっぷんが収まり忘れられるから、僕は当然話を聞く。2年くらい前になるだろうか、僕も何十年ぶりに車線変更で捕まったから、記憶に新しい。彼女もまたゴールド免許だったらしいが、それが無くなるのも僕と同じだ。
 彼女がスピードオーバーで捕まった所に関心があったので尋ねてみた。丁度岡山市から牛窓町に入るあたりで、制限時速が50㎞から40㎞に急に落ちる所に当たる。余程ブレーキでも掛けないとついつい行ってしまうところだ。厳密に取り締まればほぼ100%捕まりそうだ。
 ひとしきり状況を説明してくれたところで「もう罰金を払ってきました」と言った。合点がいかなかったので「どういうこと?」と尋ねてみた。僕の記憶では後日郵便局から払い込みしたように思うのだが。
 その女性によるとすぐに銀行から振り込んだらしい。その手のものに全く疎く、数年前に楽天カードを税理士の先生にある目的で作らされて、ほとんど使うことなく持っているだけだったのだが、ポイントと言うものが結構たまっていてそれを使わないともったいないと諭されて、無分別に最近は使っている。
 僕は罰金までカードか何かで払うことが出来ることに驚いた。そこで女性に「罰金払ったら、ポイントがつくの?」と尋ねると「ポイントは1点ですけれど、3か月で復活するらしいです」と答えた。これでは真剣勝負で女性に罰金を払うストレスを軽減してあげることはできない。僕は最近買い物をするとたまると言うポイントのことを言ったのだが、反則切符の話に変わっていた。罰金にポイントがついたら楽しいと言うギャグが不発に終わった。
 笑いを誘うことは出来なかったが、症状の説明より優先させざるを得なかったストレスの幾分かは吐き出せれたかもしれない。

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