勝央JCT

 最後の最後で間違った。もう目と鼻の先でドライブレコーダーに騙された。そのせいで中国自動車道のゲート手前で立ち往生してしまった。
 勝央文化センターで行われた岡山県和太鼓連盟主催のコンサートが午後1時から勝央文化ホールで行われた。来日数か月の子を初めて連れていくことになったから、2時間くらい早く着いて車で5分くらいの所にあるノースビレッジと言う農業体験施設と言う名の公園に連れていくことにした。入場無料だけあって、今一つの感はあるが、広大な緑の中でおいしい空気を吸うにはうってつけだ。豪華なところばかり連れていけないし、そんなつもりもないから、僕自身もドッグランの勉強を兼ねて楽しみにしていた。
 ところが最後の所で、左折すべきところを直進してゲートの手前で気が付いた。このまま高速道路に入って、何十キロ先を引き返すのも嫌だから、試案の挙句、赤橙がついている建物に飛び込んでみた。すると女性係員が出てきて、僕の失敗をすぐに悟ってくれ、入場券を取ってゲートをくぐり、すぐ左側にあるスペースに止めるように指示てくれた。ただしその場合は、ETCカードをいったん取り外さなければならないらしい。僕はそんなもの見たこともないし、ましてどこにあってどのように取り外すのか分からないから、その女性に車の中を探して取り外すように頼んだ。すると女性は果敢に探してくれたが、外国の車だから勝手が違うみたいで、すぐ仲間の男性に電話で指示を仰ぎながら、見つけて取り外してくれた。
 スペースに車を止めると、今度は逆にカードをセットしてくれ、そのスペースから下道に出る道を教えてくれて、その先も口頭で教えてくれた。なるほど、料金所で働く人の通勤の道が必要だから、高速道路に通じている道があるんだ。僕は初めてそれを見たし、よりによって通らせてももらった。
 下手をすると1時間くらいのロス、その上、肉体と精神疲労で心が萎えてしまうところを救ってもらった。「親切っていいな!」僕はとてもうれしかったが、ひょっとしたらあの女性は僕よりもっと気持ちがよかったかもしれない。立場が逆転したら僕も全力を尽くすが、今日みたいに困っている人(僕)にはあまり出会えない。せいぜい、道を尋ねられ、紙に行き方を書いて渡すくらいなものだ。
 実は勝央町に着いてからも2度、とても親切にしてもらった。疲労困憊で、もうこれ以上かけないが、やはり県北の人は根っから親切な人が多い。中国山地を超えるともっと親切らしいが、県南の僕からしたら、羨ましいくらい親切だ。
 多くの親切に支えられてやっと小さな親切が出来た。歳を重ねると、親切も自力ではできなくなる。

 

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