間違い電話

 朝一番の電話に今日一日を楽しくしてもらった。
 当然だが、電話をとるとこちらが誰だか名乗る。時に電話をかけても名乗らない方がいる。電話をかけた方は間違っていないかどうか気になるから、〇〇さんですかと確認しなければならない。まったく無駄な行為なのだが、相手側にそうした常識の欠如や、過度な警戒感があれば仕方ない。不愉快だがこちらが担当する。
 今朝一番の電話主にも当然名乗ったのだが、以下のような会話になった。間違い電話だったのだが、全く不快感はなく、むしろ楽しいやり取りだった。
 「明日お店はやっていますか?」と尋ねられて、一瞬間が空いてしまった。木曜日を休む調剤薬局は多いから、確認の電話か、明後日の祝日を明日と勘違いしているのかなと想像したから。しかし当然僕は仕事をするので「明日はやっていますよ」と答えた。すると電話の主は「それじゃあ、巻きずしを3本お願いします。明日の10時ごろ取りに伺いますから」と親近感をもって言われた。その時点で間違い電話だと気が付いたから「うちは薬局で、巻きずしは売っていないんですけど」と答えると間違いに気が付いた女性は驚いて丁寧に謝ってくれた。僕は別に間違い電話が苦になるタイプでもないから「いいですよ、もう5年くらい待っていただけると、どこか有名な寿司屋さんで修行してきますけれど、待ってもらえますか?」と答え、お互い円満に電話を切った。
 携帯電話だから、どこの方がどこの寿司屋さんと間違えたのか分からないが、おそらく僕より年配の方。僕ならスーパーで買うようなものだが、人によってはプロに作ってもらうんだと、少しだけ川の上流に触れたような気がした。
 いやいや庶民でもすることだよと言われればそれまでだが、そうなるとほとんど我が家は下流、ほとんど河口付近で生きていることになる。
 間違い電話も、時には笑いを誘う。能無し芸人よりはるかに高音響だ。

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