名前

 このギャップはなんだ?
 超イラ。僕が牛窓に帰り、漢方薬を勉強し始めた頃からの付き合いだから30年は僕の漢方薬を飲んでいる。勿論性格通り、少し改善すればすぐにやめる。それはそれで何ら問題はないが、それだけ漢方薬に頼っていても、問診はせいぜい1分が限界。薬を作る時間待つなど考えられないから、あらかじめ電話で注文をし、取りに来る。奥さんやお子さんも大変だろうと思うが、結構家族円満で、幸せ家族だ。
 そんな彼の名前を30数年間僕は間違っていた。僕の実家に近いから、なんとなく幼い時に呼んでいた名前をカルテに書き込み、勿論、薬袋にも書くから、何百回間違った名前を書き続けていただろう。
 最近病院の処方箋を持ってくるようになり、娘が気が付いた。何だこんな名前だったのかと言うレベルで、漢字の間違いレベルではない。似てはいるが違う名前だ。
 僕はやってしまったと言う感覚は全くなかった。でも知ってしまったからには当然正しい名前を薬袋にも書き始めた。30年間彼から名前が違っているというクレームは一度もなかった。また直してからも話題には全く上らない。あの神経質な男性がこと名前の間違いに関しては全く無頓着なのだ。このギャップはとても興味深い。彼の家庭円満の秘訣が隠されているのかもしれない。
 もっとも僕にも同じようなことが進行中で、僕が信頼している漢方薬の会社から毎月送られてくる学術書の宛先の名前が違っている。僕は彰夫だが送られてくる宛名には天夫と20年以上書かれている。ことこれに関して僕も全くどうでもいいことで修正を依頼していない。
 ただし、許せない人もいて、かつて修正を迫られたことが一度だけある。これはさすがにかなり有名な人だったのでプライドが許さなかったのだろう。
 こんなエピソードがあると凡人でよかったとつくづく思う。「どうでもええが(どうでもいいではないですか)!」で過ごすことが出来れば人生は楽ちん。生きれば生きるほど「楽を求めて苦しむ」愚かさに気づかされる。

 

自民党が滅ぶか、私たちの老後が崩壊するか。老後孤独●はまだマシ。日本政府が見捨て始めた介護。貧困老人は自己責任です!と言い切る恐怖。澤田晃宏さん。一月万冊 - YouTube