担保

 先週初めてスーパーでてんぷらを買って、僕に出来ることが1つ増えた。前回は、ちくわといかとげそだったので、なんとなくおかずっぽくなかった。そこで反省して今日は店に入る前から買う物を決めていた。しっかりとおかずになるものを買うべきだと思ったのだ。前回沢山買いすぎた反省から、今日は2種類だけ買うことに決めていた。それはアジの開きのてんぷらと、かき揚だ。妻と2人分なので2個ずつ買った。それでも510円だった。と言うことは1人250円で夕食がまかなえるってことだ。これは衝撃だった。牛窓が都会で、近くにこんなに大きなスーパーがあれば毎日でも買いに来るかもしれない。ただ、運がいいのか悪いのか分からないが、我が家では立地上料理しなければ食べられないようになっている。まだまだ料理を作ってくれる人がいないと暮らせない状況だ。  今夕食後1時間くらいだが、なんとなくむかむかして気分が悪い。恐らくてんぷらの油のせいではないかと思う。家庭で作るときは必ず新しいもので、使い古したようなものは使わない。酸化した油は大変な毒だ。体に入れるのには抵抗がある。ただ、店頭で売られているものはそれを確かめることは出来ない。一か八かの博打みたいだが、どうもこの気分の悪さは裏目に出た可能性がある。やっと、ひとつの壁を越えられたのに、壁の向こうの景色はそんなにいいものではなかったか。  ついでにもう1つそのスーパーで遭遇した光景について書く。  スーパーの中には医薬品コーナーがあり、登録販売士といわれる最近出来た資格で薬が販売されている。白衣姿だからすぐ分かる。僕が今日そのスーパーに寄ったのは夕方5時頃だったから、店内は混雑していてレジには人が並んでいた。何処のレジが一番早く進みそうか目安をつけて並んだところは、白衣姿の男性がレジを打っていた。僕の番になってその男性の胸元を見ると登録販売士の名札がついていた。忙しい時にはレジを打たされるのだと思った。薬剤師とは違うがなんとなく、刺身や寿司や野菜を籠から出してはレジでピピッとやっている姿は見たくなかった。折角勉強して資格を取ったのにと同情した。  漢方講演会の帰り道での出来事だが、こうしたたわいもない日常により多く接することも、薬がよく効く為には必要な作業だと思う。現代人の不調は薬だけで治るような単純なものではないから。効く薬は効かす事が出来る人間性に担保されるのではと、歳のせいかもしれないが、最近とみに思う。(僕のことではなく、僕の先生のこと)