自己防衛

 不思議な光景がある。以前から気になっていたが、今日時間があったのでしかと確かめた。ただあいも変らず僕は食べ物には無頓着だから、正しい名称が使えないのが残念だ。  スーパーの中で2箇所だけ食べ物が露出して陳列されているところがある。1箇所はパンのコーナーだから、僕も時々利用する。もう1箇所が僕が決して近寄らない(無関係と思っているから)揚げ物のコーナーだ。てんぷら類だと思うのだが、てんぷらだけではなく、今日必死で1つでも覚えて帰ろうとしたフランクフルト?など何種類かの揚げ物が陳列されているコーナーだ。大型のスーパーだったら恐らくそれらの前を1日何百人、いや3桁の単位で通るはずだ。客の中の何人かは病気を持っている人もいるだろう。手にとって戻すようなことはないだろうが、飛まつ感染や空気感染などは当然起こっても不思議ではない。清潔をこよなく愛するこの国の人が、この2つのコーナーに限ってなんておおらかなのだろうと不思議で仕方ない。どちらも熱を利用した調理方法だから、ラップで包んだりすることが出来ないのかもしれないが、何の安全の保証もない状態で陳列されることに違和感はないのだろうか。結核菌はもとより、これからは風邪のシーズンだから、ウイルス付きのパンやコロッケを食べることになる。  パンが好きだから、いくつかのスーパーの中にある手作りのパン屋さんのパンを買うことが多いが、買いながらいつも思うのが、一か八かの賭け事だ。おかげで今までそれから何かに感染した気配はないが、なんとなく普通にあって指摘されない不思議な存在だ。日本人が好きなパンと揚げ物だから大目に見ているのだろうか。胃酸の分泌が落ちているだろう世代には、自己防衛も必要な気がする。