フラッシュモブ

 残念。入念に1ヶ月前から考えていた一人フラッシュモブなのに台風で流れてしまった。 夏にかの国の4人の留学生が奈良県から泊まりにやってきた。帰るときに学園祭が10月にあるから是非お父さん来て下さいと言われた。たかが学園祭のために奈良まで行くのは自分でも意味を見いだせなかったので、即座に断った。ところが彼女たちが帰ってから、彼女たちと一緒に行動したときの知的好奇心に感心していたから、又会ってみたいと思い始めた。それとその後4人全員の体調について相談を受けるようになって、その中の二人は医師の力も借りないといけないトラブルだから、直接会って説明しようと言う動機も重なって、一人フラッシュモブを思いついたのだ。 関西からやってくる漢方の会社(東洋薬行)のセールスに智恵を貰って、一番早くて確実な奈良への行き方も頭にたたき込んだ。びっくりするだろうなとワクワクしながら最後の確認をしようと思い大学のホームページを開いたら、台風のため学園祭は中止と緊急の通達が赤字で載っていた。びっくりさせようとした僕がびっくりした。台風は土曜日の時点ではるか東の方に通り過ぎていたが、大事をとったのだろう。  かの国では経済的な理由で大学に行けなかった子達が、日本で研修生として働いて得たお金で学生として再来日する。彼女達にとってはそれこそ夢の学園祭なのだ。当然のように大学に進学し、当然のように遊び、当然のようにリクルートスーツに着替え、当然のように卒業していける環境にいる学生とは違った感動を持って日々暮らしている。その感動をほんの少しだけでも上質なものに出来たらと非力を承知で、ない知恵を絞っている。