ラクロス

 柔道にプロレスに野球にそれからまだあるのかな。スポーツの番組かと思っていたらなにやら国を動かす偉い人になりたいらしい。まだまだ同じような人は梅雨までには出てくるかもしれないが、できればセパタクローとか、テコンドーみたいなマイナーなものがどうせならいい。せめて日の目の当たらないスポーツをやっていた人くらいにして欲しいものだ。まるで桁が違う金を稼いで、まるで桁が違う交友関係がある人に、空っぽの財布で一人公園で寝起きする人の苦しみは分からない。いやそれどころかごく普通の庶民の生活すら理解できないのではないか。 この国では、偉い人になるのはテレビで露出するのが一番簡単ならしい。受け狙いの低俗な芸人並みの売名か、あるいはスポーツか、どちらでもいい。垂れ流した時間に比例して好感度はアップするらしい。仕事より番組出演に忙しい輩を見ていたら良く分かる。生活者が一所懸命、体と精神の消耗と引き替えに稼ぐ1月の生きていくための賃金を、あっという間に稼いでしまう輩に自分たちの生活や命までを託さなければならないのは哀れだ。まあ、どの様な選択をするのか知らないが、結果は全て身から出た錆だ。いくら湿気があっても金属がなければ錆は付かないのだから。僕らは銅か鉄か知らないが、金やプラチナにはまずなれない。持った事がないから分からないが金やプラチナが錆びたってのを聞いたことがないから。  ああ、大切な種目を忘れていた。ルールも何も知らないが偉い人になりたいならこのスポーツを経由してなって欲しい。その名はラクロス。元々はインディアンが争いごとを武力ではなく平和的に解決しようとして始まった競技らしいから。でも僕が日本語に直訳すると「楽捨」と書きそうだからイメージが悪いか。でも棒網球よりは韻を踏んだいい訳だと思うのだが。