短縮

 インフルエンザの治療を受けた女子中学生が、マンションから転落死した。同じようなニュースが繰り返される。インフルエンザなんて昔からあるのだから、解熱剤を飲んで、栄養剤を飲んで寝ていればいずれ治ると思うのだが、現代人は(患者?医者?製薬メーカー?)そうはいかないらしい。わずか1日少々の改善スピードを短縮する為に、ふるって処方し、ふるって飲む。薬を飲ませたら監視しなければならないような薬が許可される理由は分からないし、後どのくらい人がビルから転落すれば禁止になるのか分からない。  車は常連、ガス湯沸し機が追随。命をどれだけ失ってからメーカーは公表するのだろう。会社という漠然とした見えないものだから、あまり責任は感じないのだろう。組織全体で弾劾を受けるのだから、実はあまり深刻ではないのだろう。金はあるし、弁護士はついているし。テレビカメラの前で頭は下げるが、失うものはほとんどないのではないか。あれだけ人を殺しても会社はずいぶん立派に存続している。個人の仕事なら考えられない。  国が守っているのは人間ではない。得体の知れない血が通っていない組織を守っている。僕らは守られているように利用されているに過ぎない。そもそも国だって、訳の分からない単なる組織に過ぎないのだから。一握りの人達が、一握りの人達の為に、ほとんどの人を生かさず殺さず利用している。いったい、今はなに時代なのだ。