若き友人へ

 若き友人へ    知性は溢れなくてもいい   ジーンズの後ろポケットに   斜めに入っていればいい  咲き急ぐ季節を追いかけて   肯定の前線が鞭のようにしなる  こだわりのさえずりに   立ち止まった海流   今日という日が変わる予感    真心は触れなくてもいい  そっとハンカチで包んで   見えないのがいい  海に落ちる丘を横切って   追憶のガードレールが朽ちる  旅人の手から解き放たれる   白鳩の群れ   今日という日に変わる予感