今目の前にいる人

 所詮僕らは凡人。大きなことは出来ない。大した物は残せない。それならどうして日々を過ごせば、なんとか社会の役に立ったと、自分でも妥協出来る辺りで納得した人生といえるのか。その答えは日々の生活の中にある。「今目の前にいる人の為に全力で尽くすこと」僕の場合で言えば、僕の薬局に来て下さる人それぞれに対して、誠意を持って考え尽くすこと。メールを送ってきてくれる人、電話で相談する人、その瞬間にメールの中の人と、電話の向こうの人と一体化して全力を尽くすこと。これに尽きる。この単純な繰り返しこそが凡人が社会に貢献できる堅実な方法なのだ。大きな池に細波さえも立てれないような人生だが、一生で吹きぬけた風を集めれば、木の葉くらいは岸から遠くに運べるかもしれない。