小屋

 毎日新聞に載っていたのだが、日本で認知症の権威の先生が、ご自身が認知症になり施設に入られたらしい。90歳を過ぎたのだから仕方ないが、専門中の専門であっても、避けられないのだ。僕ら凡人が避けられるはずがない。願わくば1年でも遅くってところだろ言う。どんな老化現象も然りだ。
 ただそこまで極めた先生はここからが凡人とは違う。自身の体験で、正常な時間帯と痴呆状態の時間の両方があるらしい。そこで正常な時間帯にまさに進行中の痴呆を研究するそうだ。自身を検体にして研究すると言うのだ。僕らが風邪をひいて風邪薬を試すのとはレベルが違う。
 また更に目標があって、100歳まで生きて、同年代の方にインタビューをし、100歳まで生きるってことについても、次世代のために研究したいらしい。あくまで学問的に生きるってことだ。ここまで人生を極める人もいるんだと感心したが、凡人にはそういった生き方は出来ない。
 僕は必要最低限のものが備わった、それも介護のためのものが備わった小さな小屋を作り、そこで人生を終えたいと思っている。枯れるようにはいかないかもしれないが、折れるように人生を終えるかもしれないが、鳥の鳴き声を聞きながら、もう十分と思いながら終わりたいと思っている。

 

https://www.youtube.com/watch?v=F9tHAX_PrxM