今日の〇〇は桜が咲いてしまうのでは?と思うほど暖かいです。
先生も花粉症の患者さまも多いでしょうから、お忙しくお過ごしと思います。
息子は少し調子の悪い日もあったようですが、前よりも随分学校でも集中できるみたいです。お薬の追加をお願いいたします。

良かったです。再来年の春には素晴らしいサクラを咲かせてください。古くてご存じないでしょうが、僕らの時代は学生が合格発表の電報をアルバイトで打っていたのです。今ほど交通の便は良くなかったし、インターネットもなかったので、在校生が重宝したのだと思います。僕は自身では、いっぱい「桜散る」の電報を受け取りましたが、息子さんには是非「桜咲く」を。
今作って送りました。
ヤマト薬局

 こうして書いているうちにある事件を思い出した。当時罪の意識も全くなかったけれど、50年経った今、脳裏をかすめた瞬間、本当に悪いことをしたと思ってしまう。殺人犯が毎夜毎夜自責の念で苦しみ、逃亡生活からついに出頭するようなことがたまにあるが、歳を取ってくると悪いことばかりが思い出され苦しむ経験は多くの方にあるのだろうか。自分からは逃れられないとよく言われるが、まさにそう思う。
 恐らく大学1回生の春だと思う。入学試験の電報アルバイトを仲間とした。受験会場から出てくる受験生やその親たちに、合格電報を売り込む。僕らのグループ以外にもやっていたから客の取り合いだ。
 そして合格発表の日に張り出された番号を確認して、電報を打つのだが、不合格者に合格の電報を打ってしまったのだ。今考えれば絞殺(しめころ)されてもいいようなことだが、当時そんなに罪の意識が沸かなかった。恐らく、複数の人間で確認作業をしなかったのが原因だと今は思う。合格を喜んで、正式な大学からの通知を待っていた本人に今なら「謝っても謝りきれない」と分かりながらも礼を尽くすと思うが、当時はさらりと流してしまった(はずだ)。
 未熟も未熟、そんな若者だったのだ。恐らく数人でやったと思うが、それを悔いていつまでも落ち込んでいた人間なんていなかったと思う。
 歳を重ねるにしたがって、少しは常識を身につけてはきたが、残念ながら凡人には長い時間を要する。思い出したくないことばかりが人生だと、今夜もマンホールのふたを開けて、あいつがやってくる。