排ガス

 ディーゼル自動車の排ガスを妊娠中のマウスに吸わせると、生まれた子供の小脳にある神経細胞が消失して少なくなる事が分かった。プルキンエ細胞と言う名前の神経細胞が減少した状態は自閉症と同じ状態らしい。研究は大都会の空気汚染2倍の濃度の排ガスを浴びせたマウスの子供と、きれいな空気の中で飼ったマウスの子供を比べたらしい。細胞を自ら殺すアポドージス状態になったのは、排ガスを浴びた親から生まれた子供のマウスは57.5%で、きれいな空気の中で飼われた親から生まれたマウスの子供は2.4%だった。また、人間と同じようにオスのほうがメスより影響を多く受けていた。  最近約10年間で先進国では自閉症が増えている。そして海外の研究で生まれる前の要因が強く疑われていた。恐ろしいことに、人間はマウスに比べて胎盤にあるフィルターの数が少ない為に、ディーゼルの排ガスの影響をより強く受ける。自閉症は日本に36万人いる。広汎性発達障害などを含めると120万人いると推定されているらしい。  もしこれらの人の何パーセントかが人工的に作られた病気だとしたら、空前の利益を謳歌している車産業のお偉い方は、何を考えるだろう。いやいや何も考えないだろう。国を動かすくらいの力を持っている人に下々のことは分からない。僕ら庶民は生きている存在ではなく、生かされている存在なのだ。  僕ら庶民に出来ること。田舎でつつましく暮らすことと、生まれてくる子の無事を神仏に祈ること。それ以上はもはや手を打つすべがない。