セコムとアコム

 我が家には、食いしん坊で臆病なセコムが2匹いるので本当は必要ないのだが、ある理由があってセコムの契約をした。守るべきものはないので本当は必要ないのだが、断わる方が高くつきそうなので契約した。今日、その工事があったのだが、結構1日仕事だった。出来あがってから使用方法の説明を受けたのだが、あまり理解できなかった。以前はこんなことはなかったのだが、最近は思考のブロックがしばしばはいってくる。理解しようとする前にすでに拒否してしまうのだ。理解しようとする行為を拒否してしまう。それには共通の条件があり、デジタルの世界に拒否感を持っているらしい。いくつものボタンを操作して目的を達することに、妙に気後れする。  僕らの世代はアナログだと思っているが、いやいや僕らの一回りも二周りも上の人間にもデジタルがいて、濡れ手に泡で稼いだ金を必死で弁解しているやつがいる。もはや金や地位がある人間たちの道徳は問われない時代になった。腹を空かし、うどん一杯を無銭飲食した人間が捕まり、巨悪も法律の前を走れば罰せられない。  失うものがない人間にとって、必要なのはセコムではなく、アコムだ。そーだ、やっぱり「ちゃーんとアコム」なのだ。