魂胆

 税理士の先生だから、色々な職業の方を見ていて、時勢にも詳しい。僕など薬業界のことくらいしか知らないし、その薬業界にもあまり興味がないから、経済にはまるで音痴だ。ただ、今のように格差がどんどん広がっていくのを快くは思わない人種ではある。
 なにからその話に行ったのか分からないが、先生が「野球なんて、なくても困らないでしょう」と言われた。恐らく大谷選手の高額な報酬をイメージしてのことだと思う。日本円に換算したら1000億円と言っていたから。そのあたりは僕も詳しいので、日給に直すと2700万円と知ったかぶりをした。
 僕と同じ牛窓出身だから、その後の言葉がリアルだし、よくわかる。「漁業や農業はなくては困るけれど」
 僕も以前からそのことがしばしば頭に浮かぶ。半農半漁の町で育ったから、幼い時から常にそうした人ばかりと接していた。鉄工所を営んでいた父方の祖父、大工兼百姓だった母方の祖父。まさに半農半漁だ。漁師やお百姓がいなければ僕達は命をつなげない。彼らこそ欧米的な表現をすればヒーローだ。彼らにこそ多くの所得を補償すべきで、投げたり打ったり遊びの延長の職業に、高額な収入を保証するのには抵抗がある。勿論売ったり投げたりするのが得意な青年が悪いのではない。元凶は彼らを金で買いまたそれで利潤を得る人間たちだ。考えられない富を、庶民を精神的な薬漬けにして得る人たちだ。
 先生は、資本主義の弊害と言われ、娯楽に富が集中するいびつさを指摘されていた。馬鹿をひな壇に並べサルみたいに手をたたかせ、上前を撥ねる。アホコミを操る奴らの、透けて見える魂胆が成就間近のように見える。

円安に無力!鈴木財務大臣をクビにせよ!財務省の完全な言いなりの上に世襲で無能!麻生太郎の親戚なんかいらん!安冨歩元東京大学教授。一月万冊 - YouTube