不思議

 不思議な経験をした。2度見どころか3度見、4度見までもした。出来ることなら車を止めて確かめたかったくらいだが、バイパスで車を止めるスペースはないから、なんて錯覚だと自嘲気味にそのまま車を走らせた。
 夕暮れで太陽はすでに隠れていた。いつものようにバイパスを利用して岡山市から帰っていた。バイパスを降りる1kmくらい手前で二股に分かれる。直進すれば北の方に向かうが、僕は西に向かうコースを取る。その道は南に緩やかにカーブする。その小さなカーブはほんの少し上りすぐに下るようになっているが、まさにその低い頂上付近で、民家が点在している平地の向こうに、まるで大海原のような水平線が見えたのだ。いつもなら目の前の道路しか見ない緩やかなカーブなのに、今日に限って平地の向こうに海が見えたのだ。
 能登地震の後、ユーチューブで被災地の情報を見ることが多かった影響だと思うのだが、丘に避難した住民が見た景色とよく似ていたのだ。僕がバイパスを降りる辺りで海など絶対に見えない。ところが2度見、3度見では明らかに海なのだ。事故を起こしてはいけないから、ましてカーブの途中だから、1秒も視線をどめてはいけない。所詮0.何秒の世界での判断だから、錯覚ではないかと言う思いはあった。明らかに僕の頭は混乱した。
 カーブを曲がりきったところで、前方の安全を確かめてからしっかりと南に広がる海らしき景色を見てみた。するとそれは冬の海の色をした雲だった。そしてよりによって、その雲の上部が何と水平に南の空に広がっているのだ。まるで、小高い所から眺める沿岸の町の向こうに広がる海そのものだったのだ。
 僕が一瞬のうちに切り取った風景が、どの記憶によるものだったのかは分からないが、、いずれ目の当たりにするかもしれない景色でないことを祈る。

【戦争】台湾有事が起こるとしたらこういう人がトリガーになります。庶民にはわからない苦労があります。#山本太郎 #れいわ新選組 #自民党 #経済 #戦争 - YouTube