黙々

 僕は黙々とするスポーツは大の苦手で、わいわいがやがやと楽しみながらのスポーツでないと出来ない。まるで修行のようなマラソンやジョギングは苦手の最たるものだ。
 ところが近所のある男性はそれが命のような人だ。僕より年上だから、さすがに最近は大きな大会には出なくなったみたいだが、黙々と中学校のグランドを走っている姿はよく見かけていた。
 今日処方箋を持って来た時に彼と雑談をした。と言うのはずっと疑問に思っていたことがあったから尋ねてみたかったのだ。
 先日の岡山マラソンの時に、さすがにこの時間には終わっているだろうと思って出かけた岡山市内で、正に交通規制に引っかかったのだ。運よく高校時代に暮らしていたあたりで地の利があったから実害はなかったが、「何でまだ走っているんじゃ」と言いたくなる心境だった。
 そこで彼に尋ねた。「何時まで走るん?走れるん?」と。すると何でも6時間トップと遅れたら、走りを止められバスで移送されるらしいのだ。なんともサービスがいいと思うが、さすがに途中で置いてきぼりを食えば、ランニング姿でタクシーを拾わなければならない。その哀れさたるや如何に。
 何十年も大会に出続けた彼に、バスに拾われた経験があるのと尋ねると1度だけあるらしい。
 寒い時期に行われる総社マラソンで、走っている時にお腹が冷えて大便を催してきたらしい。なんでも沿道で接待してくれる人たちが「冷たい飲み物ばかりくれるんじゃもの」と恨めしそうだった。心残りなのか実感がこもっていた。
 こんなどうでもいい話で得ることは意外と多く、歳とともにそうしたどうでもいい話題が愛おしくなる。そんな変化こそどうでもいいのだが。

裏金=安倍晋三が残した毒。安倍派は壊滅し、岸田内閣も瓦解する。安冨歩東大教授。一月万冊 - YouTube