午後６時半からズーム？これじゃあ連続１０時間半働いていることになる。どんなに恵まれている人が講師になっているんだ。どんなに現場を知らない人が企画しているんだ。文句の一つでも言いたくなるが、知識はちゃっかり頂いているから、大きな声では言えない。だから、声を出さないように、こうして活字にしている。関係者はそもそも見ていないが。
難解を好む講師の先生が大半だが、たまに僕らが勉強してきた流派の先生が講師を務められることもある。そうしたときは儲けもので、ほとんどすべてが理解できるし、そもそも知っていることがほとんどだ。ただ、どの講師にも得意技や稀少な経験があり、とても有意義な知識を得ることもある。そんな偶然を期待して、僕は多くのズームを視聴している。
嘗て、僕の先生に教えていただいている時には、分からない時にはすぐ手を上げ口をはさんだ。それを先生は快く許してくれ、分かりやすく教えてくださった。ズームでも質問は出来るみたいで、チャットで質問をしてくれと案内されるが、チャットの操作がわからないから質問のしようがない。当初はチャットと言う言葉すら知らなかったから、司会が「ちゃんと」と質問しろと言っているのかと思った。
ただズームで講演される先生方の多くは、大学の先生が多いから、超真面目で、僕なんかが質問できる肩書ではない。肩書のある聴き手が、肩書のある講師に質問している間に割り込む勇気はない。ギャグの一発でも発してくれればリラックスできるのだが、堅苦しいことこの上ない。その堅苦しさが日常の方と。「肩が苦しい」僕とは所詮、似て非なるもの。住む世界が違う。
３０数年教えを乞うた先生は、本来ならズームの画面で人気者になっていたはずだ。その先生を、１０数人の仲間と独占できた幸運をズームの日ごとに実感する。
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