部下

 「絶対口に出してはおえんよ(駄目よ)」「そこはぐっと抑えないとおえんよ」と何度もくぎを刺した。どうも心配なのだ、つい彼が「サインして!」なんて言いそうなものだから。
 かの有名な「日本一広い駄菓子屋」に勤めている男性が来たから、「最近会社が女子野球チームの応援をしているのをテレビで見たとよ」と伝えた。彼自身はその番組を見ていなかったらしいが、当然支援していることは知っていて、3人が会社で働きながら、野球に取り組んでいるらしい。だからテレビに出た子たちがお菓子売り場で働いているわけだ。テレビでは、従来なら学生時代岡山の大学で野球をやっていても、卒業とともに岡山県を離れるのだが、この会社が面倒を見てくれるから、岡山県に残れると喜んでいた。
 スポーツウーマンだから、機敏に動いてよく働き、見ていて気持ちがいいのではないのと尋ねると、部署が違うから会うことはないと言っていた。そこで僕が言った。「のこのこ出かけて、サインを頂戴などと言ったりしてはおえんよ」と。すると彼は「それはないですよ。それをやったらだめでしょう。向こうの方が部下なんですから」と笑いながら答えた。
 こんな会話をしながら漢方薬の処方が決まり、1週間分持って帰る。都会なら僕の薬局は令和の前に、いや平成の前につぶれている。

【山本太郎】総理、国民の声をそろそろ聞いていただいてもよろしいでしょうか 2023年11月28日 参議院・予算委員会【国会ダイジェスト】 - YouTube