風貌

 まるで身びいきの域を出ないが、我が家のプリンは本当にかわいい。猫が苦手な僕でも、顔つきには自信がある。ずっと疑問に思っていたのだが、日本の猫でこんなのいるのだろうか。見たことがない顔つきで、しっぽも豊かで、後ろ姿はほとんどアライグマだ。とにかくしっぽが大きい。
 裏の駐車場の倉庫の下でミーミーと、鳴いているのを保護したのだけれど、ひょっとしたらいいとこの猫で、何かの偶然で飼い主、或いは親猫と別れたのではないか。本来なら、我が家みたいな普通の家庭に来る猫ではなかったのではないか。
 そんな疑問に答えてくれる動画を今日偶然見つけた。その動画はアメリカのものだから、プリンはアメリカの猫ではないか。ほとんど瓜二つなのだ。
 僕と同じように猫が好きでもなさそうな息子が、いつか階段で遭遇したときにまじまじと眺め、「いいとこの猫ではないの?」と素人丸出しの感想を言っていたが、あながち間違いではなかったようだ。
 あの鳴き声と小さかった時の風貌で生き延びれた運のいいプリンだが、よほど居心地がいいのだろう、外に興味を示さない。ひもじかった、怖かった日々の記憶がそうさせているのかもしれないが、思いを馳せてみると愛おしさが増す。

Huge Cat Hugged A Woman In a Shelter And Didn't Let Go! It Must Be Seen - YouTube