幕張メッセ

 もう何年前になるだろう、この女性は牛窓で映画の撮影が行われている時に偶然漢方薬を取りに来て、主演の男性の名前を聞くとすぐに撮影現場に急行した。割とクールな女性なのにその様子が面白くて記憶に残っている。
 昨日お嬢さんを連れて漢方薬を取りに来た。隣の市の備前からだ。この備前市は、もっぱら備前焼、逆を言うと備前焼くらいしか売りはなかったのに、最近とみに有名人を輩出している。
 プロ野球ファンなら誰でも知っている山本由伸と頓宮裕真。そこに最近加わったのがモデルの平 美乃理。
 お嬢さんの漢方薬を作った後、少し雑談をした。「最近、備前は有名じゃないの!」と話を振ると、すぐに思いついたのか名前を口にした。とても野球など興味がなさそうだが、二人の選手の名前が出た。「山本君と頓宮くん」まるで知り合いのような呼び方だが、年下の近所の男の子でも呼ぶようなクールさだった。もう一人女性の名前が出なかったので「有名なモデルがいるんじゃないの?」と水を向けると「ああ、平さん」とお嬢さんが答えた。これもさん付けだ。有名人を呼ぶときは普通名前だけで「さん」とか「君」は付けない。二人にとって3人は同じ町のどこかのおうちの子でしかないのだ。事実、平 美乃理は中学校で、お嬢さんの1級上だったそうだ。そしてお嬢さんが取った行動がおかしかった。握りこぶしを作り「平さんの顔ちっちゃい、このくらい」と教えてくれたのだ。いくらモデルでも、握りこぶしくらいの頭の人はいないだろう。うちのプリンくらいだ。猫の顔が人間の首から上についていたら美しいと言うより気持ち悪いだろう。お嬢さんにとってはその小顔ぶりがまぶしかったのだろうが、テレビなどでやたら出てくる「顔、ちっちゃ!」の誉め言葉が、国中を席巻していることを体験した。
 確かに硬いものを食べなくなったから、若い人に嘗てのような「あごはりめっせ」は少ない。美を崇め、美を追求するのはいいが、時には硬いテーマにも食いついて!

大石あきこvs 口だけの岸田総理 - YouTube