上下

 この二人が言うのなら信じる。浅はかな素人考えに固執する必要はない。
 犬を飼うことも猫を飼うことも本望ではないが、偶然どちらも経験することになった。犬の方は2匹を飼ったから、20年近く同居したことになる。そのおかげで犬についての知識はかなりついたが、猫についってはほとんど知識はない。
 一番の疑問は、猫を外に出さないことだ。犬の場合は、雨降りでこちらが大義でも散歩に連れて行っていた。特に日本犬は家の中ではトイレを我慢してしまうから、何が何でも散歩をしなければならなかった。
 そこが僕の基準になってしまっているから、猫を家から出さないと言うのにかなりの抵抗があり、猫に対して後ろめたささえ感じている。
 ことペットに関して、二人信頼している人がいて、保護犬などを世話している薬剤師と、犬猫大好き人間の漢方薬をとりに来る女性だ。薬剤師が、危険だから猫を外に出してはいけないと教えてくれてはいたが、それでも何となく納得がいかないので今日女性が漢方薬を取りに来た時に尋ねてみた。
 すると定番の危険というキーワードの他に面白い話をしてくれた。猫は上下の運動があればいいのだそうだ。この上下と言う表現はとても僕の興味を引いた。確かに、箪笥の上に上がって、じっと僕を見下ろしているようなときもある。天井のないリビングの梁の上で、こちらの心配をよそにくつろいでいることも多い。
 僕はその上下を拡大解釈をして、「うちは3階の二部屋をプリンにあてがい、2階のリビングも台所も和室も自由に行き来させている」というと、これがえらい評価された。虐待どころか理想的な家の構造らしい。
 あの鋭い爪と歯を見たら、顔のかわいらしさをはるかに超えて怖いが、1年前、倉庫の下に隠れて泣いていた光景を思い出すと、追い出すことは選択肢にない。薬剤師が「鳴いていたら助けてほしいと言う意思」と教えてくれたから、1年前の記憶が痛々しい。
 限られた空間の中で、これから10年以上生きていくのかと不憫に思っていたが、今日やっと払しょくできそうな気がした。これもちょっとした知識。学ばねばならないことは沢山ある。

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