ヤフーニュースを開く度に、山から滑落したとか、海や川で溺れたとかのニュースが目に飛び込む。本当に気の毒で、海の傍に住んでいる分、事故の想像がつくから気の毒でしかたがない。
僕らの時代は、小学低学年から、小学生の一団に混ざって海水浴場に泳ぎに行くのだから、危ないことがあっても仕方がない。今の親なら絶対にありえないが、大人が付いてくることなどなかった。6年生の親分について行く、さながら子分だ。
ところが、実際には危ないことはなかった。ひと夏に40日くらいは泳ぎに行くが、そしてお盆以降は広い海水浴場に子供が10人そこらの独占状態だったが、それでも危ないことはなかった。
海の子だから良く泳ぎ、浅い所なら海底まで素潜りもしていたが、それでも危ないことはなかった。きっと代々受け継がれていた何かがあったのだと思う。命を守る何かが代々伝わっていたのだと思う。それも戦前から、ひょっとしたら大正から、いや明治から?
その何かを具体的に指し示すことはできないが、してはいけないことがあったに違いない。さもないと、親が何も心配せずに、いや気にもせずに放置できるはずがない。きっといつ泳ぎに行って、いつ帰ったのかも知らなかったはずだから。
海や川で泳ぎ、山に登るのはとても良いことだ。自然に溶け込み、体力も付く。素晴らしいことだ。ただし、それで命を落としてはいけない。知らいない所ならなおさらだが、いっぱい「してはいけないこと」を教えてもらうといい。人生の糧を得るために人生を失っては、元も子もない。