もう何年靴を買っていないのだろう。バレーボールをしていた頃は、バレーボールの為の靴を買い、それが古くなると、普段履く靴におろしていた。だから日常利用する靴はすべてバレーボール用のお下がりだ。
 バレーボールを20年近く前に辞めてから、靴を買う理由がなくなった。破れるまで履き古すのが僕の主義だが、何せ車を運転するとき以外靴を履かないから、靴がそもそも破れない。だから5年やそこら持つのではないか。
 僕が同じ靴ばかり履いているように見えるのか、息子が2度誕生祝に靴をくれた。ただ残念なことに2回とも少し小さくて、指を丸め気味で履かなければならない。そのせいで2回くらい親指の爪がはげた。車の運転しか靴を履くことがなかったが、バレーをやめてウォーキングを始めたから靴を履く機会は増えた。必ず朝と夕、20分ずつ歩いたから、親指辺りがうっ血したのだろう。
 貧乏人気質の僕は、靴や衣服は「破れて、使い物にならなくなったから捨てる」もので、小さくて指先が痛いけれどうっ血するのを我慢すれば十分履けるから捨てることは出来なかった。指を曲げた状態で何年も履き続けたせいで、爪が2回ばかりが生え変わったが、今日靴屋さんで買って履いてみて、そんな自分しか通用しないこだわりがなんて無駄だったかよくわかった。
 まず初めに気が付いたのは、指先から靴の先まで1㎝くらいの隙間があった。これが正しい靴なんだと、何年振りかに気が付いた。靴を履いて歩いても全く痛くないし、そもそも足の指を全部伸ばしたまま歩くことが出来た。
 「どんなのがいいですか?」と店主に尋ねられ「爪がはがれない奴なら何でもいい」と答えたが、選んでくれた靴に満足している。「これはすごいわ、歩いても指が痛くない」と感動する僕に若干戸惑い気味だった。

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