体験

 「元気で、幸せ?」と、毎回僕は尋ねてしまう。同じフレーズを使うことはよくあるが、この方にはつい出てしまうのだ。2か月分を一度に送る方だから、2か月に一度このフレーズを使っていることになる。
 このフレーズ以外ほとんど会話を交わさない。ただ僕にとっては「はい」と言う答えが一番の贈り物だ。それ以上を何を望むだろう。
 もう何年も前から薬を送らせていただいているが、もともと明るい人か、それとも明るく振る舞っているのか分からなかった。只、今はもともと明るい人ではないかと勝手に思っている。あれだけの恐怖を体験して、それが記憶から消えるとは思えない。何かの拍子に記憶の中から飛び出してくるのではないだろうか。夢の中にも出てくるだろう。
 ただそれを感じさせないくらい明るい声だ。言葉では到底表すことが出来ないレベルの体験を強いられたことなど誰が想像できるだろう。西日本で安穏と暮らしている僕は、なぜかしら申し訳なくなる。
 元気で幸せになってほしい、元気で幸せのまま、これからもずっと過ごしてほしい。その権利を持ちすぎている人だから。あの日、2011年3月11日、津波に沖に流されて生還した人なのだから。

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