静岡県

 僕にとってお茶は「麦茶」が全てだ。家が貧しかったのか、母が興味がなかったのか、祖父母の影響か、確かなことは何も分からないが、麦茶以外のお茶を知らずに育った。
 学生時代は、水分と言えば水かコーヒーで、麦茶も口にしなかった。麦茶以外に出会ったのは結婚してからだが、そもそも興味がないものだから、何を飲んでいるのか分からない。茶色だったり緑色だったりするが、名前を覚えたいと思ったことはない。自慢ではないが、花とお茶の名前はさっぱり分からない。
 そんな僕の所に静岡のある方から、お茶が届いた。プロの方だから、きっといいお茶で、添えられたお菓子もきっといいものなのだろう。茶何グラムに、何度の水で何グラムと理想的な飲み方を記しているくらいだから、ただものではない。名前も「草枕」だから文学の香りでもするのか。
 ふいに届いた静岡からの荷物。最初に口にできたのは、丁度漢方薬を作りに来ていた女性薬剤師。「あや玉」と言う和菓子?を口にして「スーッと溶けて、いやな甘さが残らない」と言った。甘党の方だが、恐らく高評価の言葉なのだろう。一つずつ和紙で丁寧に包装されたパチンコ玉くらいのお菓子をしげしげと眺めていたから。
 僕が口にしたのは仕事が終わってから。指示通りに作ってもらったお茶を「あや玉」をなめながら飲んだ。緑が香る中で、お茶の苦みとお菓子の甘味が程よい所で調和し、抹茶オーレみたいな感じに思えた。まったく口から入るものに疎いから、こうした表現しかできないが、静岡県の人は、毎日こんなお茶を飲んでこんな和菓子を食べているのかと、お茶のない岡山県人らしく、無知な想像をした。
 線状降水帯の予測が出る中、届いた心遣い。重たい雲を吹き飛ばしてくれるかも。

【国会】”加害者”を前にして思わず感情が高ぶる山本太郎!東電と政府に対して…【れいわ新選組/切り抜き】 - YouTube