正統派

 毎年、僕の先生から、丹波の黒豆を送っていただく。今年も届いたところまでは見届けていたので、いつ口に入るのだろうと思っていたら、なんともう何日も前に僕は食べていたみたいだ。毎年、めったにビールは飲まないのだけれど、黒豆にあわせてその日だけは飲む。ところが今年は黒豆が出てこなかったのでまだビールを飲んでいない。
 そのことを妻に言うと、いただいた翌日カレーに入れたそうだ。当日肉がなかったので肉代わりだったらしい。戦争直後に生まれ育った僕ら世代にとっては、くじらやサバなど肉代わりはいくらでもあったが、まさか戦後50年を経てまた肉代わりに大豆を食べるとは思わなかった。
 頑張って働いているのだから、牛肉くらいは冷蔵庫にいつも用意しておいてほしいが、何かの偶然に切らしたのだろうか。黒豆はビールのおつまみしかイメージできないので、カレーの具になったのは残念だ。一応メインの具だったのかもしれないが、まさかカレーをつまみにビールは飲めない。正統派を自認している僕には、やはりビールしかない。残念!