風物詩

 やはりそうだった。おじさん達、おじいさん達も、バナナジュースが好きなのだ。
 小雨が降って来たので、急遽、薬局の少しばかりの庇の下に椅子を並べ、カウンターを店舗入り口に作りスタンバイした。予行演習をやっていたから、スムーズにに30人分を作ることが出来、待たせるようなことはなかった。
 用意していたのは、目の前でミキサーで作るバナナジュース。ドリップで煎れるホットコーヒー。それとアイスコーヒー。僕にとっては予想通りだったのだが、8割くらいの担ぎ手がバナナジュースを飲んでくれた。担ぎ手以外の運航係の人達も、道路の向こう側からリクエストをくれて、ほぼバナナジュースを飲まれた。
 若いベトナム人女性が目の前で作ってくれるパフォーマンス。甘くて疲れをとってくれる。格好つけて喫茶店ではコーヒーを頼んでしまう癖。それらの相乗的な効果で、圧倒的にバナナジュースが飲まれたのだと思う。
 飲んでみたいが喫茶店では頼めなかったバナナジュースは、結構おいしくて癖になりそうだ。いろんなアレンジを考えて秋祭りにはもう一段ステップアップできたらと思うのは、僕だけではなく、ベトナム人若い女性たちも同じみたいだ。
 送って帰る車中で、豪華な神輿が楽しかったのか、接待自体が楽しかったのか分からないが、「タノシカッタ」を連発していた。秋にはアオザイを着て頑張ると言ってくれた。
 親、いやおじいさんにあたるだろう世代の男たちが担ぐ神輿と、娘、いや孫にあたるだろう世代の異国の女性とのコントラスト。取り残されまいと懸命に歩を進める田舎町の初夏の風物詩。

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