手本

 これが手本なら、僕は漢方薬局をやめる。
  あるメーカーの、ある商材の販売力があると言う理由で、ある漢方薬局の実際の相談現場を生で見せる動画を見た。初めて聞く名前の薬局の女性の方だったが、日本中にこう言ったカリスマが結構おられて、多くの信者を得ている。
 これ見よがしにメーカーが推薦するから、どんな魅力で患者さんをひきつけているのだろうと思って見てみたが、「僕には、こりゃあ無理じゃあ~」の世界だった。
 まず先生に品があり、笑顔が絶えず、オウム返しの必殺技があり、情に訴える。これで初めての方には、1時間半かけるのだそうだ。そこまで聞くか言うくらいプライバシーにも踏み込むが、そこが受けるのかもしれない。
 結局最終的に勧めた処方はストレスの漢方薬だったが、僕が開始数分で決めた処方とは全く異なっていた。その上僕は基本的には煎じ薬を作るが、その方はドラッグにでも置いている単なるありふれた製品だった。
 何度も言うが、僕の漢方薬の先生も、その先生の先生も、現代医学に秀でた方だった。そして漢方薬でお世話をするときにも、現代医学的なデータをとても大切にされた。医学を哲学にはしなかったから、僕は素直に勉強できた。
 先生の先生はずいぶん前に亡くなり、先生も最近亡くなった。今は残された書籍でしかお会いできないが、お二人とも漢方の世界の中枢を歩んではいない。僕らその後継者は、漢方と言う現代ではニッチな領域の、そのまたニッチな領域を歩んでいるのだと認識させられた。
 講師の、あの自信にあふれた晴れやかな表情は、どこから来るのだろうと、失意のクリックで画面を終了した。

質問の意味がよくわからない!?山本代表のテンションも低い!?最後の質問は却下!! 山本太郎切り抜きch【れいわ新選組切り抜き】 - YouTube