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 何ら計画も立てず準備もせずに作ってしまったドッグランだが、こうしたことを聞くと作ってよかったと思う。
 ドッグランの駐車場に立派なキャンピングカーが止まっていた。絵にはなるが、この辺りではめったに見かけないから、どこから来たのだろうくらいな気のかかりようはあった。
 娘たちが朝からそちらの方にかかりきりだったから、途中で尋ねてみると、大阪の方だった。わざわざ当方のドッグランに来ることはあり得ないから、どういった関係で来られたのかそれも尋ねてみた。すると、しばしば使っていただいている岡山の保護犬グループと知り合いみたいで、途中からその方もワンちゃんを連れて合流したらしい。確かに駐車場から覗いてみると、車が2台になっていた。
 合計4匹が2時間くらい遊んだみたいだ。珍しいことに今日は一度も鳴き声を聞かなかった。余程居心地がよかったのだろうかと、素人ながらに考えた。
 大阪の方が娘に教えてくれたらしい。元野犬によくあることだが、人や物音にとても敏感で、どこのドッグランに連れて行ってもじっと固まって動かないそうだ。ところが今日は、不思議なことに走り回ったみたいで飼い主さんが喜んでいたそうだ。本当はワンちゃんの喜びの声こそ聞いてみたいが、まだ翻訳機は出来ていない。
 こんな話は結構耳にする。娘に「何か理由があるんだろうか?」と聞いてみるが、彼女も確かな答えは持っていないようで、「段々畑をそのまま残し、借景が緑深い山だからだろうか?」と想像の域を越えない。
 人様のお役に立てれるのは、本当にうれしくて楽しいが、常に受け身の物言わぬ動物の役に立てるのも嬉しいものだ。薬局とドッグラン、共通するものはきっとある。この感覚こそそれなのか。

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