乱心

 今日は落ち葉を集め焼くことを繰り返した。飽くと家に帰り、少しばかり勉強したり、注文の漢方薬を作ったりした。
 日差しは結構暖かかったが、風が意外と強かったので、焼却機から目を離さないようにしていた。煙突からと下部の空気孔から煙が出るが、風向きが急に変わることが多くて、焼却機の周りを逃げ回っていた。
 風は当然目に見えないが、煙が風に色を付けてくれるから、風の吹き方がよくわかる。逃げ回らなければならないほど風は絶えず向きを変えている。四方数十メートルには何もない状況を作れる場所を焼却機の置き場にしているが、それでも東と北は山だから、乾燥したこの季節は積もった落ち葉に気を遣う。
 「風が舞うのがよくわかる」と科学の実験でもしているような気分になったが、頭に浮かんだ「風が舞う」と言う表現が正しいのかどうか自信がなかった。
 僕には風は向きを変えて吹いてくるから、確かに舞っているのだが国語的に正しいのかどうかわからない。そこで家に戻ってインターネットで調べてみると、風が舞うのは「つむじ風」のことみたいで、僕の舞うとは異なる。となると僕の意味する風は「舞ってはいない」。ただ乱心気味だっただけみたいだ。しかし「風が舞う」と言う表現は美しいから、僕が今日感じたような時でも使えるようにハードルを下げてほしい。

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