自首

 読みが当たった。暮れからずっとやりたいやりたいと思っていたことが出来た。それも5時間くらいぶっ通しで。腰も背中も悲鳴を上げることなく。
 隣の空き地は、12月に入って強い風で落とされた葉っぱが、あちこちで絨毯のようになっている。又吹き溜まりになっている所では、積もっている。これらを何とかしたいとずっと思っていたが、ついにその日が到来。今日はほとんど無風。これなら空き地の中央辺りで焼却機を使えば問題ない。山の枯草に火が飛び移る心配はない。
 ドッグパークの予定地のてっぺん辺りは、草を刈った後掘り返してくれているから、木の根っこなどもむき出しだ。そこに花を植えようと思っているから、根っこなどを取り除いておかなければならない。雨も少ないから、よく乾いた大小の根っこを拾って、かごで焼却機まで運ぶ。焼却機の下側にそれらを入れ、その上に乾いた落ち葉を拾い集めて入れる。新聞紙を丸め最上段に置き火をつける。ここが味噌で、火は最下段に着けない。最下段につけると激しく燃え上がるので、いくら焼却機でも小さい火の粉なら飛んで出てしまう。だから最上段に火をつけ、穏やかに燃やす。
 木の根っこと、熊手で集めた落ち葉をかごに入れ、焼却炉で燃やす。たったこれだけのことを繰り返す。あまりの広さだから、第3者が見たら何もしていないように見えるかもしれないが、結構達成感がある。木切れや落ち葉が燃えるときの煙の匂いが懐かしい。
 今こうしてブログを書いていて気が付いたのだが、その作業中、ほとんど頭を使っていないような気がする。何かを考えながら作業をしたと言う記憶がないのだ。無心でと言うほどではないが、なぜか思考回路は不通気味だった。
 農家の方たちも同じなのだろうか。僕はその作業が終わるまで腰などの不快感を感じなかったが、これこそ、ストレスによる筋の緊張を回避できていたのかもしれない。毎日結構緊張して過ごしているから、腰や首が急に痛くなったりするが、あれだけ肉体的な負荷をかけながらの作業でもそれがなかった。
 ひ弱な僕に、農作業が合っているなどとは全く思えないが、ひょっとしたらその時の心は、僕に合っているのかもしれない。学生時代、既に一生分怠惰に過ごした自覚があるから、その後は、精神的には償いの日々だった。体力が落ちて無罪放免になる前に自首もありかと思えた、正月二日の日だった。 

 

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