憔悴

 待ち合わせのスーパーの駐車場で、ひときわ目立つ正装をして一人は待っていた。他の三人は普段よく目にする服装だったが、一人は白を基調にしたアオザイだった。いつも教会に一緒に行く人だから、今日に限ってと言うのには理由があった。教会目当てではなく、ミサの後に予定していた紅葉狩りのための服装だろう。
 毎日のように県内の紅葉の見ごろをチェックしていたから、運よくミサの朗読当番と紅葉の見ごろが重なって、教会から車で5分の距離の深山公園に行った。かなり広い駐車場を3か所も用意しているのに、どこも満車だった。僕は4人を降ろして30分くらい駐車場待ちをしてから合流した。
 彼女たちの後を追うようにして追っかけたが、なかなか追いつかない。僕の予想では、写真撮りまくりだから、数百メートルも追いかける必要がないと思っていた。ところが結構歩いても追いつかない。結局公園を1周してしまいそうなところでやっと追いついた。観光地などに行くと時速100メートルかと言うくらいの自撮り三昧だから、追いつけないなんて考えられなかった。
 ところが今日の歩みは新幹線並みだ。それには理由があった。どこにも紅葉がないのだ。途中で僕も気が付いたのだが、紅葉など全くなかった。むしろ道中見た山のほうが色づいている。毎晩ローカルニュースやインターネットの紅葉情報で、深山公園は見ごろの太鼓判を押されていたのに、どこにも見当たらない。これでは新幹線のスピードになるわけだ。
 追い付いたときのみんなの憔悴しきった表情をみて、本当に申し訳ないと思い謝った。クリスチャンでない子も紅葉見たさに一時間のミサに参加してくれていたのに。それにしてもNHKやローカル局がこんなずさんなことをやるのだろうかと不思議に思った。今年に限ってと言うようなことも起りにくい。自分たちで目視せずに、惰性で例年通りを繰り返したのだろうか。
 とんだ秋の一日になったが、たどたどしい日本語で許してくれたのが救いだった。

 

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