１週間前から、今日は和気の閑谷学校に、紅葉を見に行く約束をしていた。だからこの１週間毎日天気予報を確認していた。日が近づいてくるにしたがって。日曜日の雨の確率が高まってきて、当初午前出発と言っていたのを午後に変えたりして何とか希望をかなえてあげようと思ったが、さすがに昨日の最終予報を見て諦めた。前夜に急遽取りやめと言う返事をした。
帰国した通訳にベトナムから返事をしてもらうのだから、日本のベトナム人たちの反応は分からなかったが、僕自身に若干の未練が残った。僕が紅葉を見たいのではなく、ひょっとしたら雨が降らないのに中止してしまったのだろうかと言う未練だ。
朝６時にドッグランに落ち葉を焼きに行った時には、曇り空で風もなく穏やかだった。この天気が続くなら、最初の約束通り午前８時半発で出かければよかったと一瞬思った。ただしそれはほんの一瞬で、実際には曇り空を眺めながら、雨が降ってきっぱりと未練を消してくれと言うのが本音だった。
ところが、幻の集合時間の８時半ぴったりに一粒の雨を頭に感じた。これであきらめがつくと嬉しかった。そして次第に雨脚が強くなり、焚火もウォーキングも取りやめて家に帰らざるを得なくなった。その後しばらくして、薬局の前の駐車場には、水たまりが出来て、もし出発していたらとほくそ笑んだ。
３週に渡ってそれぞれ違うメンバーで、見ごろの場所を探して紅葉を見に行く予定だったが、出鼻をくじかれた。雨に濡れた紅葉の絨毯を踏んで足をくじくよりはいいが、公平を旨にしている僕にとってはこのハプニングは痛い。
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