抑肝散加半夏陳皮

 抑肝散加半夏陳皮が2週間分入っている箱が何箱か届いた。本来なら問屋さんから届くものだが、使う当てがなくなった調剤薬局から届いたものだ。
 僕はまず第一に煎じ薬を念頭に処方を考えるが、適さない場合もあるし、作ったり飲むのが苦手な人もいる。その次は台湾の漢方薬を使う。日本のとは違って賦形剤と言って、添加物みたいなものが少ない。煎じ薬に近いと考えられる。3番目の選択肢は小太郎漢方の製品。
 今日届いたのがその小太郎製薬のもので、僕も普段利用するから引き取った。もともとは譲ってくれた調剤薬局が処方元の先生の要望で仕入れて在庫していたものだが、それを飲む患者さんがいなくなったのだろう、デスストックになり損害を被るから買ってくれる薬局を探していたのだ。
 僕は服用する患者がいなくなったから売りに出すと言うのが解せない。と言うのは抑肝散加半夏陳皮は恐らくお医者さんにとっては使いやすい処方だから、いくらでも対象患者が来ると思うのだ。ひょっとしたら大きな病院から患者さんを紹介されてお世話していた開業医が、患者がいなくなったから処方しなくなったと言う分かりやすい話かもしれない。この方が可能性は高いかな。
 広島のお医者さんの漢方研究会に何度も参加させていただいたことがあるが、講演の途中でしばしば、最近は調剤薬局が煎じ薬を拒否して作ってくれないと嘆いていた。調剤薬局にしてみれば、30分も一つの調剤に時間を割かれたらたまったものではないだろう。僕の薬局みたいに全員家族なら、効率などどうでもいいのだが、何人もスタッフを雇っていたら生産性を考えてしまうだろう。
 どこに行っても同じような漢方薬が処方されると、患者さんは素人なのに、こんな的を射た感想を言う。中医と言うとても系統だった漢方理論のおかげで、誰もが同じような結論に行きつけるようになった。泥臭い問診で答えを得ようとした僕の亡き先生などは、超亜流だったのかもしれない。ただ僕にとっては永遠の主流なのだが。

 

善と悪の基準はどこできまる?違法でなければOK合法だからOKを政治家が言い出したら日本は終わる。日本人の法意識とモンテスキュー法の精神について。日本社会混乱の本当の原因。安冨歩東大教授。一月万冊 - YouTube