持ち出し

 ある方が相談に来て、病院でいただいている漢方薬を見せてくれた。病院が出している漢方薬だからかの有名なツムラのものだ。ほとんどの病院が扱っている。
 症状を聞いて、僕もその処方で合っていると感じた。その方にはほかの処方は思いつかなかった。だから結局僕は同じ薬を作った。ただし煎じ薬で。
 すると数か月服用して効果を感じられなかったのに、2週間で症状が半減した。相談者は同じ漢方薬を飲んだとは思っていないからお礼を言ってくれた。
 このようなことはしばしば経験する。お医者さんも結構漢方薬を勉強しているから処方箋でよく見かける。僕の薬局は調剤薬局でもあるので、毎日何人かが漢方薬が含まれた処方箋を持ってくるが、ほとんどの人は、出されるから飲んでいるだけで、効果を実感している人は少ない。ただし薬局としたら、処方薬をまじめに飲んでいただく責務があるので、いいのいいのを言ってやる気(飲む気)を鼓舞しなければならない。割り切って僕はいい薬剤師を演じる。
 お医者さんの漢方研究会にもしばしば出席してきたが、煎じ薬を処方しても調剤薬局が利益が少ないと言う理由で作ってくれないとしばしば講演中にこぼされていた。お医者さんが岡山県だったら作ってあげると言いたいが、なにぶん広島県の勉強会だからそれは言えない。
 お医者さんだって評判にかかわるからよく効く煎じ薬で勝負したいだろうが、生薬が高騰して、薬局もきついのかもしれない。ただし、それは利益が幾分か少なると言うだけで、患者さんが煎じ薬を飲むのを阻止するほどのものではない。調剤で儲けすぎているから、少しの持ち出しも我慢ならないのだろう。持ち出しばかりで人生を送る人もいると言うのに。

 

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