散歩

 隣の古民家が壊され、きれいに造成されたはずなのに、毎朝猪の足跡がどこかについている。かつては県道すれすれまで雑草が生い茂っていたから、時々見かけたが、距離で言うと50メートルくらい山のほうに押し返したから、さすがに姿を見ることはなくなった。ただ造成地の山際は、足跡を毎朝確認できる。
 眼科の処方箋を持ってきた方が、隣の土地の工事具合がだいぶ進んで気になりだしたのか「あそこは何になるん?公園にでもなるん?」と尋ねてきた。僕はドックランと答えると彼は「どうせどこかの金持ちが道楽で作るんじゃろう!」と漁師らしい毒舌をはいた。そこで僕が作ると言うとびっくりしていた。しかし、その次に出た言葉も又漁師らしくて「安かったろう。荒れてしもうとったからな」都会の方なら心に思っていなくても「高かったでしょう」くらい言ってくれそうだが、牛窓の漁師は甘くない。「わしの軽トラくらいするんか?」と来た。
 このような会話に幼い時から親しんでいるから、裏表は禁句。正直に話さなければすぐに見抜かれてしまう。薬局の業務も同じだ。風を読み、潮の流れを読む仕事だから、嘘なんて簡単に見破る。
 粗暴な人間が、隣の工事の進捗状態で「公園」を連想してくれたのがとてもうれしかった。まるで別世界で暮らすような人間が公園を連想してくれたのだから、設計士さんの力だ。いつもの表現だと「廃棄物処理場か!」くらいは言いそうだから。
 猪の足跡の話をすると、彼などしばしば遭遇しているらしい。猪どころか鹿やキツネにも出会うらしい。「峠を降りたところにお地蔵さんがあるじゃろう。その辺に行ってみられ、しょっちゅう猪が散歩しているから」と出会いのスポットを教えてくれた。
 そうか彼にとってはあれは猪の散歩か。猪も散歩するのか。猪がうつうつとしているのか、運動不足に悩んでいるのか知らないが、散歩とは表現が可愛すぎるだろう。ロマンチックすぎるだろう。裏表なく粗野に徹してくれないと、こちらが戸惑う。

 

 

逃げまくる安倍元首相しれっと“ウクライナ派”に転向!赤っ恥「ロシア外交失敗」は語らず
メディアの取材から逃げまくっていた安倍元首相が24日、ようやくカメラの前で口を開いた。
何から逃げていたのかというと、赤っ恥アベ対ロ外交の“落とし前”だ。ウクライナ侵攻を理由とする日本の経済制裁に反発したロシアが21日、北方領土問題を含む日本との平和条約締結交渉を中断すると発表した。これを受け22日、在任中にプーチン大統領との“蜜月”で交渉を進めてきた安倍元首相に記者団が取材要請したが、「時間が取れない」として応じなかったという。
23日のウクライナのゼレンスキー大統領の国会演説の際も、安倍元首相は会場の後方にいて、終了後、メディア対応を避けるように早々と帰ってしまったようだ。
で、24日の安倍派の定例会合での冒頭の発言となったわけだが、驚いたことに安倍元首相は、「ゼレンスキー大統領とは2019年に来日した際に会談した」「その前の大統領とは5回会談した」などウクライナとの“親密度”をアピール。ゼレンスキー演説に日本中が沸いた翌日にちゃっかり転向するとはア然だ。
一方で、ロシアとの平和条約交渉が事実上の白紙となったことには一言も触れずじまい。「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」という今となっては恥辱のフレーズは黙殺したいらしい。