ウクレレ

 まるで知識がないから店員さんに、「ウクレレの弦と調弦のための機械と教則本をくださいと」言って揃えてもらい、お金を払って楽器店を出た。おそらくその間5分くらい。ウクレレを楽器店で見たこともないから、弦や機械などがどこに陳列してあるのかも知らない。探す時間がもったいないから揃えていただいたものをそのまま受け取ってきた。
 もちろん僕が弾くのではない。妻が若い時にハワイで買ってまるで装飾品のように飾ってあったものを、年末に遊びに来たベトナム人が見つけ「お父さんあれ下さい」と言ったから、使えるようにして渡してあげようと思ったのだ。思い出のウクレレだろうから僕が上げるわけにはいかなかったので、欲しい理由を尋ねた。
 すると今、障害者施設で働いているが、お世話をしている人たちに音楽を聞かせてあげたいと言うのだ。ウクレレと言う単語も知らない上に、どうもまだあの国では楽器を持つとかと言うのはあまり普及していないらしくて、音楽についての素養はあまりない。100人近く親しくしてきたからよくわかる。ついでに言うとスポーツも甚だ遠い存在みたいだ。もっと言うと泳げるような人は少ない。
 ただ、二人の思いはとても純粋で、本当に障害者を大切にしお世話している。敬意をもって接しているのがよくわかり、職場の話を聞いていたら頭が下がるばかりだ。日本に再び来たいと言う願いをかなえる上で、幾分かのお手伝いが出来たことを特別うれしく思える二人だ。
 日本語も流ちょうにしゃべれるくらい努力してきた二人だから、ウクレレくらいならすぐにマスターするのではないか。妻にとっては、思い出のウクレレだろうが、二人の優しさに委ねるほうが数段価値がある。
 音を出さなければ楽器ではない。手を差し伸べなければ人間ではない。

 

岸田内閣は安倍晋三・菅義偉を葬った厚労省医系技官によって崩壊する。オミクロン感染拡大を全く止められない専門家達。原発事故と同じ構造だ。安冨歩東大教授。一月万冊 - YouTube