年賀状

〇〇さんも奥さんも大変でしたね。
70歳を待たずにこの20年くらい骨格系で結構不快な日々を送っています。会う人には「心は二十歳 体は80」と常々言ってきましたが、今は心も体も実年齢です。世の健康年齢を信じるならもうそれは卒業みたいですから、これからは苦行です。
〇〇さんは職業的に死と直面することも多いと思いますが、医者ならでの考えってあるのですかね。僕らは死と向き合うような場面はないですが、毎日のように僕の数年後、10年後、20年後のサンプルとお目にかかります。そのサンプルがやたら最近目につくようになりました。おかげで近い将来に希望を持つことはなくなり、淡々とその時を迎えられるのではと思っています。これから先良いことなど起こるはずもなく、よいことを具体的に一つも頭に描けません。何もないのです。
 未練がない分、死はおそらく恐ろしくないと思います。その瞬間が眠るようであれば何でもないと思えます。十二指腸のポリープのための検査で2度全身麻酔を受けたことがありますが、一瞬にして意識がなくなるのは快感でした。あのまま逝っても何ら悔いはありません。医療ミスを起こしてあちらに送ってくれたらいいのにと2度目などは思っていました。目が覚めたことを悔やみました。
 希望はないけれど、淡々と生きていかなければなりません。今まで培ったことで人様のお役に立つ。どんな仕事の方もそうお思われているごくごく普通の時間の過ごし方を繰り返していくのだと思います。
 僕の漢方薬の先生が昨年引退されました。僕が先生の年齢まで現役を貫くとすればあと8年現場にいることになります。ただ先生ほど知識がないので、もう少し早くなると思いますが。
 お医者さんは、と言うより〇〇さんはどのくらいまでをイメージされているのですか。現役を引退したら岐阜辺りならまだまだ出かけられるかもしれません。〇〇さんも僕も学生時代のイメージからしたら、不思議なくらい真面目に仕事にかかわれたと思います。お互い危なかったですが、よくぞとことんまで落ちなくてよかったと思います。でも僕はあの時代を〇〇さんと△△さんと3人で過ごせたのが人生の宝だと思っています。当時経験した多くのことが、その後の人生の明らかに精神的な骨格だったと思えるので。
 引退したらまた岐阜に行きます。   大和

 

古賀茂明@フォーラム4 (@kogashigeaki) | Twitter