二刀流

 「友達の友達は友達だ」と言うような歌があったと思うが、仲間の仲間は仲間か? 連れの連れは連れか?
 僕は連れと呼んだ人はいないから、その連れがどの程度の間柄を示すのかあまりわからない。だけど今日大阪から来た漢方問屋のセールスは、仲間と連れを使い分けた。
 使い分けたのは、東京と並ぶコロナの本場の様子を知りたかったからだ。人出はどうか、感染者は忍び寄ってきてはいないかなどだ。
 前者は東京に比べたら繫華街はそこまで人出はないと言う話だった。ただしこれは僕みたいな田舎の人間とは尺度が違うから鵜吞みにはできない。人と人の距離が数十メートル、下手をしたら数百メートルある牛窓とは比べられないだろう。
 コロナの感染者が身近にいるかと言う質問に、冒頭の二刀流が出たのだ。先月来た時にも質問したが、周りにコロナに感染したような人はいないと言うことだった。
 今回の質問に対しては、「家族や会社の人間にはいないけれど、知り合いの知り合いや、連れの連れに感染した人が出たみたいです」と答えた。付け加えて「なんか近づいて来たみたいです」とも言った。
 僕は彼の言葉遣いのニュアンスから「連れの連れは、怪しげなところに出入りしているんじゃないの?」と言ったが、彼は笑っていただけだった。
 大阪からくるセールスを歓迎する僕だが、追い出される薬局もあるらしい。しかし彼こそ漢方薬を扱う会社のセールスだ。「私たちは、いい薬を持っているからコロナに感染してもわからないか、軽症でしょう」と言い切った。本来は追い返す薬局が言わなければならない言葉なのに。

 

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