突っ込み

 関西の人と話をしていると、「なんでやねん」と言う言葉がよく出てくる。ほとんど合いの手みたいに聞こえるが、本当に何かを尋ねていると言うより、否定形で使われることも多い。
 大学を卒業して牛窓に帰ったと時を同じく関西から牛窓に工場を移した会社があって、移転に伴って関西人が多く越してきた。僕も若かったし、会社の人も若い人が多かったので親しくなった。仕事や野球などでしばしば接したが「なんでやねん」には最初戸惑った。答えを要求されているのか、単なる返事か分からなかったからだ。そのなんでやねんが、今のマスコミにはないと「一月万冊」で誰かが言っていたが、当時のことを思い出してなるほどなと思った。日常会話ですら、相手を良い意味で疑うのが日常の関西の文化も、いざアホコミやメディアでは伝承されていないらしい。何とも悲しいざまだ。
 前の汚部から今のカスまで、「なんでやねん!」という関西人の突っ込みを忘れたアホコミの、太鼓持ち振りにはうんざりだ。このようなアホコミならない方がいい。