領袖

 「こりゃあ帰らんわ」
 昨日玉野教会の帰りにベトナム人夫婦を家まで送り届けた。帰り道だから途中で車を止めるだけのことだ。道中10分くらいなものなのだが、日本語が堪能な奥さんで、会話はかなりの部分が成立する。
 日本が好き?と言うような会話が端緒だったと思うが、祖国へ帰りたくない理由を教えてくれた。熱心なクリスチャンでお姉さんが修道女をしている。その関係から入ってきた話だろうから精度は高いと思うが、最近はハノイキリスト教の信仰に圧力みたいなものがあるそうだ。その理由が中国の影響らしい。以前からベトナムは中国人だらけと聞かされることは多かったが、企業だけでなく、信仰の世界まで介入し始めているようだ。自分の国ならいざ知らず、他国にまで価値観を強制するところが中華民族らしい。ベトナムで出来たいい食料品は全部中国に輸出して、悪いものばかりをベトナム人が食べると口をそろえて教えてくれていたが、ついに精神まで介入してくるとは。自由なんてものあったものではない。僕がそのうち中国ベトナム県になるというと、その言葉にえらく反応していて何度も口にしていた。
 そんな会話をした翌日の今日、インターネットで金平糖が「人民の領袖」と位置付けられたと見た。「領袖」は絶大な権限を誇った毛沢東に使われた呼称で、2017年ごろから金平糖に対しても使われるようになったらしい。あの不細工な顔を個人崇拝しろだって。どこまで中国人って精神的におろかなのだろう。日本人が汚部を尊敬しろだなんて強制されたらあっという間に政権は転覆するだろう。
 このニュースを見ていて「こりゃあ、帰れんわ」と思った。