直感

 この場を借りて、メール代わりに、ある方に連絡をしたい。「すぐに返信のメールを書いて送りましたが、受け取り拒否みたいです。何度挑戦してもダメだったので娘に携帯電話から送信してもらいました。それは届いているみたいですから、僕の質問に答えてください。そうしないと薬が作れないのです」 時にこういったケースがあり、その都度大変な労力を要する。この残りわずかの気力体力を、今治療中の人達のために使いたいからこの場を借りてお願いした。又将来同じように僕に連絡をくれるかもしれない人たちに前もってお願いできたら、今回のことも多いに意味を持つ。  僕に相談してくれるときは、住所や電話番号を最初から書いておいて欲しい。僕は田舎で暮らしているし、贅沢もしないし、何故か患者さんも多いから、経済を目的に仕事をしなくてすんでいる。だから薬を「売る」ための努力はしない。ただ求められたものだけを提供する作業を30年くらいやってきた。薬が必要にない人に売った事もないし、まして押し付けたことなど一度もない。相談者と一緒に問題の解決の努力のみをする。それ以上のことはしない。病気が治れば喜び、役に立てられなければショックを受け自分の未熟さに業を煮やす。治らなければあとを引く。治ればすぐに忘れる。  卑近な言い方をすれば「僕の薬局に対して無駄な警戒はしないで!」に尽きるのかな。一緒に問題を解決しようとするときに、探りを入れたりしないで。僕にはそんなことをする時間は残っていない。  娘が返信が届かないで困っているのはどの企業も同じで、だからこそホームページの最後に、設定によって返信できない事があるから気をつけてというような文言を何処の会社も載せていると言っていた。指摘されて僕の薬局のホームページを改めて見てみると同じ文言が載っていた。それを見て少しは気持ちが楽になったが、相談メールを見て「この人は治すことができる」と直感したので、みすみす治らない状態でこの先を生きていくのかと思うと残念なのだ。医療従事者なんてそんなものではないか。