納得

 もう30年近く続けているが、役に立つこともあるんだと、自分を納得させた。  この時期小学校と中学校を回り、学校の環境調査をする。教室内の照度、気温、湿度、二酸化炭素濃度などだ。福島の事故以後、放射線量も測っている。岡山県で学校薬剤師が放射線量を測っているのはひょっとしたら僕だけかもしれないが、田舎の人間を「やられ損」にしたくないから、すぐに機械を買い調査に取りいれた。  上記の検査項目など、結果は毎年同じようなものだ。去年のをコピーしてもほとんど通用する。それなのに毎年時間をとって同じ作業を繰り返すが、昨日ある学校の調査をしていたときに、養護の先生が「先生のおかげでカーテンがつきました。やはりデータを持って要求すると教育委員会もお金を出してくれます」と教えてくれた。それは直射日光が生徒の机まで侵入して、まぶしいいだろう、ひいては視力を悪くすると指摘していたものだ。照度計が振り切れるくらいだから、机や教科書が鏡状態になる。まぶしくて見ておれないかもしれない。それをデータで示したものだった。些細な実績だが、少しだけ報われたような気がした。  話が変わりますがと断られて、その時に、生徒の前で薬と危険ドラッグについての授業をしてくれと頼まれた。僕はほとんど二つ返事をすることにしている。でふと考えた。僕は教科書的に生きていないし、教科書的な薬剤師ではない。どちらかと言うと危険ドラッグみたいなものだ。人選ミスは見え見えだが、子供相手でも「本当のこと」を話してみたいと思った。社会全体が危険ドラッグを吸引させられ、朦朧とさせられどこかへ連れて行かれているように感じる。思考停止した人間が増えれば増えるほど富も権力も少しの人間の下に集まる。決して危険なものには手を出さない輩が、危険を売る。どこの世界も同じようなものだ。

栄町ヤマト薬局ホームページはコチラ ↓↓↓↓ ↓↓↓↓ ↓↓↓↓ http://www.yamatoph.server-shared.com/