人様

 世の中には親切な人がいるものだ。漢方問屋の専務さんが、スマホに対応できるようにホームページを改良しましょうかと提案してくれたのだ。若い人はパソコンではなく、スマホで僕のホームページなどを見ている人が多いはずだと言うのだ。携帯電話を持っていない僕にとって、そのことが何を意味するのか分からなかった。だから申し入れはありがたかったが、実はどれだけありがたいのか分からなかった。反応が余り無いのを察したのか。御自分のスマホを取り出して実演して見せてくれた。太い指で画面を伸ばしたり縮めたり、右に流したり上に流したりして、画面を読む操作を見せてくれた。本来の画面では小さすぎて読めないから、その操作を繰り返して読むのだが、傍で覗き込んでいた僕は酔いそうだった。まるで目が付いていかずに、思わず目をそらせてしまった。なるほど若い人なら大丈夫だろうが、中年以降は結構きついのではないかと思った。  まさか同じ文章を2つ書くの?とかちんぷんかんぷんの質問をクリアしてくれて、近い将来スマホでも読みやすいように作ってくれるのだろう。僕がお世話している方の中で若者が占める割合は結構高くて、そう言った意味では「珍しい薬局」だから、彼らがアクセスできるようにすることは必須だ。社会から疎外され、集団から疎外され、運が悪ければ家族からも疎外されている青年達が、心の病と言うレッテルを貼られ、その種の薬を飲まされる「患者」に作り上げられるのは気の毒だ。少しばかり繊細で、少しばかり臆病で、少しばかり自意識が強くて、それで病気とは思えない。個性だと思えば評価され、病気だと思えば治療され、他人の都合を優先させられるのでは浮かばれない。  圧倒されそうなくらいの優しさと寛容さで人のために自分をささげている人がいて、その1万分の一の志を真似て仕事をしたいと思っているが、当然1万分の一では足元にも及ばない。もう物は何一つ欲しいものがない年齢になったのだから、せめて人様を優先させて暮らしたいものだ。  

栄町ヤマト薬局ホームページはコチラ ↓↓↓↓ ↓↓↓↓ ↓↓↓↓ http://www.yamatoph.server-shared.com/