福袋

 毎朝多くの荷物が届くが、今日は大きな箱で花が届いた。娘夫婦が中心で薬局の中を切り盛りするようになってから、花が届くことはしばしばだから驚きはしなかったが、今日の花はちょっと違っていた。と言うのは花自身が珍しいのではなく、買い方が珍しかったのだ。箱の上部はセロハンテープで封をしていたから中は結構見えるのだが、娘が「福袋が届いた」と言ったのだ。福袋と言えばあの赤い袋に白地の大きな文字が定番の印象があるが、ダンボール箱にセロファンでは福袋と言われてもぴんと来ない。が、僕はぴんと来た。中身が何か分からないまま娘は買ったのだと。それを娘に確かめると正にその通りだと言う。しばしばテレビニュースなどで見かけるあの熱狂振りが信じられない僕だから、花を福袋の形態で買うことがほとんど理解できなかった。  楽しそうにダンボール箱から一つずつ花や鉢を取り出す娘を見ながら、そしてその取り出したものを見ながら、結構いいものが入っているんだと感じた。特に器が面白いものが多かった。金額に見合うのかどうか僕には分からないが、損はしていないように感じた。福袋は、服や家電などの定番のものから、今やその他の多くのものに波及しているのだろうが、そこでふと僕は閃いた。来年は薬の福袋を作ればいいんだと。そうしたら我も我もと飛ぶように売れ、オリンピックを東京から横取りして福島で働く人達を東京が引き抜くるのを防ぐことが出来る。  さてどんな福袋が喜ばれるかな。痔の薬に、水虫の薬に、下痢の薬に、浣腸に、便秘の薬に、脱腸帯に、偏頭痛の薬に、しゃっくりの薬に・・・・・うーん、夢がふくらむ。