ユンケル皇帝

 タモリがブレイクさせて、イチローが辛うじて持たせているドリンクにユンケルというのがある。バブルの頃、お金の使い道がない人が毎日のようにのみに来ていた。宣伝がうまかったのもあってよく売れて、その会社はユンケルだけで持っているようになった。ところがバブルの終了と同時に、節約思考に国民がなびくと、真っ先に倹約の対象になった。 今でもあれだけ宣伝しているのだから売れるのは売れているのだろうが、恐らくピークから言うと相当売り上げは落ちていると思う。それが証拠にもう薬局ではほとんど扱わなくなり、ドラッグストアで売られているだけではないかと思う。  そんなユンケルに僕が救いの手を差し伸べるから、佐藤製薬の偉い人がその結果を見たら是非僕に、イチローに払っている出演料の半分くらい、いや1割くらいでも良いから、いやそれはやはり図々しいかな、100分の一くらい、やっぱり相手は有名な大リーガーだから、せめて1000分の一で良いから、いやもうまけて1万円で良いから支払って欲しい。ユンケルが沢山売れる方法を考えたのだ。  冷凍庫に箱のまま入れておくだけでいい。そもそも量が少ないからすぐに凍る。そこでとりだして、まるでアイスキャンデーのように食べればいいのだ。ユンケルは量が少ないから、あっと言う間に何百円が消えてしまうが、こうして氷にしてしまうと、ゆっくりとしか味わうことが出来ない。溶けた分だけを吸うようになるが、こうすると数分あの味を楽しめる。特に最後の方はシャーベット状になるから、これから暑さ本番を迎えて一番美味しい。効果を心配する人がいるかもしれないが、凍っていようが液状だろうが胃袋に入れば同じだ。どうせ主成分はカフェインなのだから、そんなにもったいぶることはない。  薬剤師がとんでもないことを言うと思うかも知れないが、放射能を食べても良いとか、笑えば出ていくなどと言う犯罪的なことを言って国民をあざむいた医者よりは数段僕の方が健全だ。これで明日から日本中でユンケルシャーベットを食べる光景が見られる。佐藤製薬のお偉い方、明日以降のユンケルの馬鹿売れは僕のおかげだって事を忘れないように。